Oct
17
今は伝説の作り方、作られ方が変質しつつある時代だと思う。
<p>伝説が作られる条件はいくつかあるが、最も重要なのが「露出を控える」ことだろう。</p>
<p>噂を聞く。しかし見れない。気になる。伝える。</p>
<p>こうして噂はとめどなく広がっていき、「気になる」気持ちが体系化されるのだ。これが旧来の伝説の有り方であり、時に歪められ、時に誇張された噂の上に成り立つという特徴を持っていた。</p>
<p>思えば、80年代来るべき<a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CD%A5%C3%A5%C8%BC%D2%B2%F1">ネット社会</a>を予見した<a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%A4%A4%C8%A4%A6%A4%BB%A4%A4%A4%B3%A4%A6">いとうせいこう</a>の名作『<a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CE%A1%BC%A5%E9%A5%A4%A5%D5%A5%AD%A5%F3%A5%B0">ノーライフキング</a>』にしろ、匿名の<a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B3%A5%DF%A5%E5%A5%CB%A5%B1%A1%BC%A5%B7%A5%E7%A5%F3">コミュニケーション</a>を電話に託して夢想した<a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BE%AE%CE%D3%B6%B3%C6%F3">小林恭二</a>の『電話男』にしろ、発想の大元は噂が構造化されていく恐さ、奇妙さに拠っていた。</p>
<p>『<a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CE%A1%BC%A5%E9%A5%A4%A5%D5%A5%AD%A5%F3%A5%B0">ノーライフキング</a>』の中でいとうは、噂の<a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CD%A5%C3%A5%C8%A5%EF%A1%BC%A5%AF">ネットワーク</a>がノンヴァーヴァルな<a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B3%A5%DF%A5%E5%A5%CB%A5%B1%A1%BC%A5%B7%A5%E7%A5%F3">コミュニケーション</a>として機能するという仮説を立て、その生成場所を学校や塾など子供たちの“現場”に求めた。このうち噂を街との関係において深化したのが『ワールズエンドガーデン』、子供の大胆な発想力を主眼に置いたのが『アタとキイロとミロリロリ』『難解な絵本』だったと言えるだろう。</p>
<p><a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CD%A5%C3%A5%C8%A5%EF%A1%BC%A5%AF">ネットワーク</a>に結びつけて子供を思考したいとうの姿勢は実に先見的なものだった。</p>
<p>しかし現在、噂は構造化されない。</p>
<p>パソコンでネット通信を手に入れた子供達の行動はこうだ。</p>
<p>噂を聞く。ネットで調べる。<a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%A6%A5%C8%A5%E9%A5%A4%A5%F3">アウトライン</a>を掴む。</p>
<p>そこには<a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B3%A5%DF%A5%E5%A5%CB%A5%B1%A1%BC%A5%B7%A5%E7%A5%F3">コミュニケーション</a>が生まれる余地すらない。なぜなら、<a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B3%A5%DF%A5%E5%A5%CB%A5%B1%A1%BC%A5%B7%A5%E7%A5%F3">コミュニケーション</a>は図られる以前に既に成立している(ような気がしてしまう)からだ。</p>
<p>ほとんどの物事をネット検索で知ることができ、見逃した映像を<a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%B0%B2%E8%B6%A6%CD%AD%A5%B5%A5%A4%A5%C8">動画共有サイト</a>で見ることができる時代。</p>
<p>失われたのは「気になる」気持ちの密度と、一回性を前提とした共有意識だろう。</p>
革命はネット化されないであろう、あるいは伝説のオールナイトニッポン - 海賊版 (via ginzuna)(via otsune)